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ロジカル思考の要MECE

ロジカルシンキングを学ぶと必ず出てくるのがMECE。MECEは、考えることの全体像を捉え、漏れなく重複することもない状態にして分析を進めるためのものです。

初歩の段階で出てくるので途中で躓いた人でも、知っている確率は高いでしょう。初歩の段階で出てくるものなのに案外難しい、実際にやってみると、時間が掛かりすぎて、という気持ちや状況を経験している人も多いようです。

なぜ必要かを考える時に、漏れや重複があれば、損失に繋がる!適した答えに辿り着けない!というだけで考えていくのは、結構重いプレッシャーですよね。

MECEの使いどころ

MECEは、ビジネスでも日常生活でも、ものごとの全てに必須となるわけではありません。どちらかというとあった方がいいという考えで済まされることも多いです。完璧でないMECEの可能性を残していたとしてもMECEを考えておくメリットもあります。

複数人の共通認識に役立つという点も知っておくと意識できる場面が増えるのではないでしょうか。

話の論点を絞ることができます。ひとつの軸になるのです。ミーティングなどで話がずれていくことがありますが、何かの意見が出た時に、その軸に入れるのか、入れないのかの判断に役立ちます。軸の中の項目を、複数人でひとつひとつ攻略するようにMECEを求めて考えや意見を出すと、漏れていることもより見つかりやすくなります。

途中経過の分からない人に全体像を伝える時にも有効です。項目が既に出ているので、強調して伝えなければならない部分も、漏れなく重複することなく選んで伝えやすくなります。仮に、相手に疑問点が湧いた場合でも、双方が同じ全体像を見ているので、その中でどの部分の疑問なのかが分かりやすいです。

重要なもう一つの目的

MECEは意識をするだけでも大きな効果が得られるものです。

MECEの状態にしていくそのプロセスが大切です。発想を高める機会だからです。MECEを意識しなかったら見えなかったものにMECEの状態を求めるプロセスの中で気付くことができるのです。そもそもロジカルシンキングの中でMECEに重点が置かれているのは、この目的の存在があるからなのです。

漏れのない重複の無い状態にすることは難しい時というのはいくらもあります。完璧にならないことの方が多いのです。MECEを考える段階で息切れしないように7~8割の完成度でOKと言われているほどです。

MECEを考えるプロセスの中で、「これは要素として間違っているのでは?」「他にも考えられることがあるのでは?」という思考をフル回転させることで、発想力を最大限に働かせていきます。

発想を広げることで見落としているものを発見することができたら、それこそが真のMECEを求めることの収穫なのです。

結果的に、「あ、それがあったか!」「しまった!」ということを、全てを講じた後で気付くリスクを最低限に抑えることができるのです。MECEのプロセスを辿っていないとよく発生するリスクなのです。

このひと周り大きな目的の存在を知っていると、MECEを考えるスタンスが少し変わってくるのではないでしょうか。